Ⅱサムエル23-24; ルカ19:1-27

Ⅱサムエル記

第23章

23:1これはダビデの最後の言葉である。
エッサイの子ダビデの託宣、
すなわち高く挙げられた人、
ヤコブの神に油を注がれた人、
イスラエルの良き歌びとの託宣。
23:2「主の霊はわたしによって語る、
その言葉はわたしの舌の上にある。
23:3イスラエルの神は語られた、
イスラエルの岩はわたしに言われた、
『人を正しく治める者、
神を恐れて、治める者は、
23:4朝の光のように、
雲のない朝に、輝きでる太陽のように、
地に若草を芽ばえさせる雨のように人に臨む』。
23:5まことに、わが家はそのように、
神と共にあるではないか。
それは、神が、よろず備わって確かな
とこしえの契約をわたしと結ばれたからだ。
どうして彼はわたしの救と願いを、
皆なしとげられぬことがあろうか。
23:6しかし、よこしまな人は、いばらのようで、
手をもって取ることができないゆえ、
みな共に捨てられるであろう。
23:7これに触れようとする人は
鉄や、やりの柄をもって武装する、
彼らはことごとく火で焼かれるであろう」。
23:8ダビデの勇士たちの名は次のとおりである。タクモンびとヨセブ・バッセベテはかの三人のうちの長であったが、彼はいちじに八百人に向かって、やりをふるい、それを殺した。
23:9彼の次はアホアびとドドの子エレアザルであって、三勇士のひとりである。彼は、戦おうとしてそこに集まったペリシテびとに向かって戦いをいどみ、イスラエルの人々が退いた時、ダビデと共にいたが、23:10立ってペリシテびとを撃ち、ついに手が疲れ、手がつるぎに着いて離れないほどになった。その日、主は大いなる勝利を与えられた。民は彼のあとに帰ってきて、ただ殺された者をはぎ取るばかりであった。
23:11彼の次はハラルびとアゲの子シャンマであった。ある時、ペリシテびとはレヒに集まった。そこに一面にレンズ豆を作った地所があった。民はペリシテびとの前から逃げたが、23:12彼はその地所の中に立って、これを防ぎ、ペリシテびとを殺した。そして主は大いなる救を与えられた。
23:13三十人の長たちのうちの三人は下って行って刈入れのころに、アドラムのほら穴にいるダビデのもとにきた。時にペリシテびとの一隊はレパイムの谷に陣を取っていた。23:14その時ダビデは要害におり、ペリシテびとの先陣はベツレヘムにあったが、23:15ダビデは、せつに望んで、「だれかベツレヘムの門のかたわらにある井戸の水をわたしに飲ませてくれるとよいのだが」と言った。23:16そこでその三人の勇士たちはペリシテびとの陣を突き通って、ベツレヘムの門のかたわらにある井戸の水を汲み取って、ダビデのもとに携えてきた。しかしダビデはそれを飲もうとはせず、主の前にそれを注いで、23:17言った、「主よ、わたしは断じて飲むことをいたしません。いのちをかけて行った人々の血を、どうしてわたしは飲むことができましょう」。こうして彼はそれを飲もうとはしなかった。三勇士はこれらのことを行った。
23:18ゼルヤの子ヨアブの兄弟アビシャイは三十人の長であった。彼は三百人に向かって、やりをふるい、それを殺した。そして、彼は三人と共に名を得た。23:19彼は三十人のうち最も尊ばれた者で、彼らの長となった。しかし、かの三人には及ばなかった。
23:20エホヤダの子ベナヤはカブジエル出身の勇士であって、多くのてがらを立てた。彼はモアブのアリエルのふたりの子を撃ち殺した。彼はまた雪の日に下っていって、穴の中でししを撃ち殺した。23:21彼はまた姿のうるわしいエジプトびとを撃ち殺した。そのエジプトびとは手にやりを持っていたが、ベナヤはつえをとってその所に下っていき、エジプトびとの手からやりをもぎとって、そのやりをもって殺した。23:22エホヤダの子ベナヤはこれらの事をして三勇士と共に名を得た。23:23彼は三十人のうちに有名であったが、かの三人には及ばなかった。ダビデは彼を侍衛の長とした。
23:24三十人のうちにあったのは、ヨアブの兄弟アサヘル。ベツレヘム出身のドドの子エルハナン。23:25ハロデ出身のシャンマ。ハロデ出身のエリカ。23:26パルテびとヘレヅ。テコア出身のイッケシの子イラ。23:27アナトテ出身のアビエゼル。ホシャびとメブンナイ。23:28アホアびとザルモン。ネトパ出身のマハライ。23:29ネトパ出身のバアナの子ヘレブ。ベニヤミンびとのギベアから出たリバイの子イッタイ。23:30ピラトンのベナヤ。ガアシの谷出身のヒダイ。23:31アルバテびとアビアルボン。バホリム出身のアズマウテ。23:32シャルボン出身のエリヤバ。ヤセンの子たち。ヨナタン。23:33ハラルびとシャンマ。ハラルびとシャラルの子アヒアム。23:34マアカ出身のアハスバイの子エリペレテ。ギロ出身のアヒトペルの子エリアム。23:35カルメル出身のヘヅロ。アルバびとパアライ。23:36ゾバ出身のナタンの子イガル。ガドびとバニ。23:37アンモンびとゼレク。ゼルヤの子ヨアブの武器を執る者、ベエロテ出身のナハライ。23:38イテルびとイラ。イテルびとガレブ。23:39ヘテびとウリヤ。合わせて三十七人である。

第24章

24:1主は再びイスラエルに向かって怒りを発し、ダビデを感動して彼らに逆らわせ、「行ってイスラエルとユダとを数えよ」と言われた。24:2そこで王はヨアブおよびヨアブと共にいる軍の長たちに言った、「イスラエルのすべての部族のうちを、ダンからベエルシバまで行き巡って民を数え、わたしに民の数を知らせなさい」。24:3ヨアブは王に言った、「どうぞあなたの神、主が、民を今よりも百倍に増してくださいますように。そして王、わが主がまのあたり、それを見られますように。しかし王、わが主は何ゆえにこの事を喜ばれるのですか」。24:4しかし王の言葉がヨアブと軍の長たちとに勝ったので、ヨアブと軍の長たちとは王の前を退き、イスラエルの民を数えるために出て行った。24:5彼らはヨルダンを渡り、アロエルから、すなわち谷の中にある町から始めて、ガドに向かい、ヤゼルに進んだ。24:6それからギレアデに行き、またヘテびとの地にあるカデシに行き、それからダンに至り、ダンからシドンにまわり、24:7またツロの要害に行き、ヒビびと、およびカナンびとのすべての町に行き、ユダのネゲブに出てベエルシバへ行った。24:8こうして彼らは国をあまねく行き巡って、九か月と二十日を経てエルサレムにきた。24:9そしてヨアブは民の総数を王に告げた。すなわちイスラエルには、つるぎを抜く勇士たちが八十万あった。ただしユダの人々は五十万であった。
24:10しかしダビデは民を数えた後、心に責められた。そこでダビデは主に言った、「わたしはこれをおこなって大きな罪を犯しました。しかし主よ、今どうぞしもべの罪を取り去ってください。わたしはひじょうに愚かなことをいたしました」。24:11ダビデが朝起きたとき、主の言葉はダビデの先見者である預言者ガデに臨んで言った、24:12「行ってダビデに言いなさい、『主はこう仰せられる、「わたしは三つのことを示す。あなたはその一つを選ぶがよい。わたしはそれをあなたに行うであろう」と』」。24:13ガデはダビデのもとにきて、彼に言った、「あなたの国に三年のききんをこさせようか。あなたが敵に追われて三か月敵の前に逃げるようにしようか。それとも、あなたの国に三日の疫病をおくろうか。あなたは考えて、わたしがどの答を、わたしをつかわされた方になすべきかを決めなさい」。24:14ダビデはガデに言った、「わたしはひじょうに悩んでいますが、主のあわれみは大きいゆえ、われわれを主の手に陥らせてください。わたしを人の手には陥らせないでください」。
24:15そこで主は朝から定めの時まで疫病をイスラエルに下された。ダンからベエルシバまでに民の死んだ者は七万人あった。24:16天の使が手をエルサレムに伸べてこれを滅ぼそうとしたが、主はこの害悪を悔い、民を滅ぼしている天の使に言われた、「もはや、じゅうぶんである。今あなたの手をとどめるがよい」。その時、主の使はエブスびとアラウナの打ち場のかたわらにいた。24:17ダビデは民を撃っている天の使を見た時、主に言った、「わたしは罪を犯しました。わたしは悪を行いました。しかしこれらの羊たちは何をしたのですか。どうぞあなたの手をわたしとわたしの父の家に向けてください」。
24:18その日ガデはダビデのところにきて彼に言った、「上って行ってエブスびとアラウナの打ち場で主に祭壇を建てなさい」。24:19ダビデはガデの言葉に従い、主の命じられたように上って行った。24:20アラウナは見おろして、王とそのしもべたちが自分の方に進んでくるのを見たので、アラウナは出てきて王の前に地にひれ伏して拝した。24:21そしてアラウナは言った、「どうして王わが主は、しもべの所にこられましたか」。ダビデは言った、「あなたから打ち場を買い取り、主に祭壇を築いて民に下る災をとどめるためです」。24:22アラウナはダビデに言った、「どうぞ王、わが主のよいと思われる物を取ってささげてください。燔祭にする牛もあります。たきぎにする打穀機も牛のくびきもあります。24:23王よ、アラウナはこれをことごとく王にささげます」。アラウナはまた王に、「あなたの神、主があなたを受けいれられますように」と言った。24:24しかし王はアラウナに言った、「いいえ、代価を支払ってそれをあなたから買い取ります。わたしは費用をかけずに燔祭をわたしの神、主にささげることはしません」。こうしてダビデは銀五十シケルで打ち場と牛とを買い取った。24:25ダビデはその所で主に祭壇を築き、燔祭と酬恩祭をささげた。そこで主はその地のために祈を聞かれたので、災がイスラエルに下ることはとどまった。


ルカ

第19章

19:1さて、イエスはエリコにはいって、その町をお通りになった。19:2ところが、そこにザアカイという名の人がいた。この人は取税人のかしらで、金持であった。19:3彼は、イエスがどんな人か見たいと思っていたが、背が低かったので、群衆にさえぎられて見ることができなかった。19:4それでイエスを見るために、前の方に走って行って、いちじく桑の木に登った。そこを通られるところだったからである。19:5イエスは、その場所にこられたとき、上を見あげて言われた、「ザアカイよ、急いで下りてきなさい。きょう、あなたの家に泊まることにしているから」。19:6そこでザアカイは急いでおりてきて、よろこんでイエスを迎え入れた。19:7人々はみな、これを見てつぶやき、「彼は罪人の家にはいって客となった」と言った。19:8ザアカイは立って主に言った、「主よ、わたしは誓って自分の財産の半分を貧民に施します。また、もしだれかから不正な取立てをしていましたら、それを四倍にして返します」。19:9イエスは彼に言われた、「きょう、救がこの家にきた。この人もアブラハムの子なのだから。19:10人の子がきたのは、失われたものを尋ね出して救うためである」。
19:11人々がこれらの言葉を聞いているときに、イエスはなお一つの譬をお話しになった。それはエルサレムに近づいてこられたし、また人々が神の国はたちまち現れると思っていたためである。19:12それで言われた、「ある身分の高い人が、王位を受けて帰ってくるために遠い所へ旅立つことになった。19:13そこで十人の僕を呼び十ミナを渡して言った、『わたしが帰って来るまで、これで商売をしなさい』。19:14ところが、本国の住民は彼を憎んでいたので、あとから使者をおくって、『この人が王になるのをわれわれは望んでいない』と言わせた。19:15さて、彼が王位を受けて帰ってきたとき、だれがどんなもうけをしたかを知ろうとして、金を渡しておいた僕たちを呼んでこさせた。19:16最初の者が進み出て言った、『ご主人様、あなたの一ミナで十ミナをもうけました』。19:17主人は言った、『よい僕よ、うまくやった。あなたは小さい事に忠実であったから、十の町を支配させる』。19:18次の者がきて言った、『ご主人様、あなたの一ミナで五ミナをつくりました』。19:19そこでこの者にも、『では、あなたは五つの町のかしらになれ』と言った。19:20それから、もうひとりの者がきて言った、『ご主人様、さあ、ここにあなたの一ミナがあります。わたしはそれをふくさに包んで、しまっておきました。19:21あなたはきびしい方で、おあずけにならなかったものを取りたて、おまきにならなかったものを刈る人なので、おそろしかったのです』。19:22彼に言った、『悪い僕よ、わたしはあなたの言ったその言葉であなたをさばこう。わたしがきびしくて、あずけなかったものを取りたて、まかなかったものを刈る人間だと、知っているのか。19:23では、なぜわたしの金を銀行に入れなかったのか。そうすれば、わたしが帰ってきたとき、その金を利子と一緒に引き出したであろうに』。19:24そして、そばに立っていた人々に、『その一ミナを彼から取り上げて、十ミナを持っている者に与えなさい』と言った。19:25彼らは言った、『ご主人様、あの人は既に十ミナを持っています』。19:26『あなたがたに言うが、おおよそ持っている人には、なお与えられ、持っていない人からは、持っているものまでも取り上げられるであろう。19:27しかしわたしが王になることを好まなかったあの敵どもを、ここにひっぱってきて、わたしの前で打ち殺せ』」。


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